磁気エンコーダボードを自作してみた

みなさんこんにちはケシゴムです。

今回高専ロボコンでas5600を使ってみたところ予想以上に使い勝手が良かったので自分なりに機能をカスタマイズした磁気エンコーダボードを作ってみました。

今回制作にはJLCPCBのPCBAを利用して制作しました。

 

仕様

マイコン:stm32G030K8T

磁気エンコーダ:as5600

通信ポート:RS485・SWD・I2C

 

仕様決定について

普通のas5600ボードから変わったことで言えばRS485が増えたくらいです。

これは高専ロボコンの時as5600から直接I2Cでデータを取っていたのですが、あまりにもノイズに弱くフェライトコアもりもりでギリデータとれるといった感じでした。

そのため大会中の不具合を想定して差動通信でデータとりたい!っていうのとMD(モータードライバ)側にわざわざ速度や位置情報といった磁気エンコーダの処理をやらしたくないってことでstm32を搭載しました。

 

外観




 

デバッグ中(zhコネクタ持ってなかったからはんだ付けで無理やり、、)

 

終わりに

今回はrs485が出せるカスタマイズ可能な磁気エンコーダを作ってみました。
基板の製造から部品実装まですべてJLCPCBさんにお願いしました!

格安で作ってくださるのでよかったらみなさんも使ってみてはどうでしょうか

PCBプロトタイプ&PCB製造メーカー - JLCPCB

 

ps.

基板データとかほしい人もしいたらDMください!

 

 

設計1年生が作った独ステを評価してみよう

  • 前書き
    お久しぶりです、ケシゴムです
    今回は高専ロボコンも終わり身辺整理をしていてだいぶ前に作った独ステ(独立4輪ステアリング・Swerve Drive)が出てきたのですが、今見ると設計的にダメだなーと思う箇所がたくさんあったので、捨てるくらいならレビューしてから捨てようと思い記事にしてみます!

  • 作られた経緯
    もともと差動ステアリングは作ったことあったのですが、ちゃんとした独ステを作ったことはなく、さらにちょうど買ったBLDCが余っていたので作ってみることにしました。 また当時、東大RoboTechのステアに感化されたこともあり、かなりRoboTechを参考にして作ってました。 ちなみに足りてないパーツなどもあるため完璧な状態ではないです。

  • 外観

  • レビュー
    分解しながらダメなところと一緒に機能を説明していきます

    正面
    まず正面からです。正面から見るだけでわかる、クソ重いです。ギヤが多いですし土台のプレートがめちゃくちゃでかいです。このユニットは回路抜きで1.6kgほどです。 駆動用のモーターには1500WのBLDCが付けられておりギヤで1:4に減速されています。
    裏側
    次に裏側です。操舵用のギヤです。後述しますが操舵用のモーターにはRZ-735が使われており、そのモーターに直接ギヤがついています。左の軸は操舵角計測用のエンコーダに用いる軸です。本当はここにもギヤを付ける予定でしたが制作が間に合わなくて何もついていません。操舵用のギヤはモジュール1なのですが、手に刺さって痛いです。
    BLDCユニットを外した状態
    BLDCユニット
    BLDCユニットはアルミフレームに掘られたタップを用いて固定されています。またアルミフレームとの固定箇所には段付き加工がされており組立精度はある程度出ています。しかし本当にこんなでかくする必要はあったのか、このダサい肉抜きは本当にこの形でよかったのか、いささか疑問が残ります。BLDCがMAXトルク出していれば多分曲がっていました。 また段付き加工したため、角の部分が鋭利になり指を切ることも多かったです。
    駆動ユニットを外した状態
    駆動ユニット
    H型POM製ベアリング
    次に駆動ユニットです。駆動ユニットと土台はH型のPOM製ベアリングでスラストを受けながら操舵の軸受けもこなしています。わりかし安定しておりこの方法は大型ベアリングを採用する必要が出てきたときに代替案として有効かもしれません。 H型のベアリングの固定には丸棒に段付き加工をし、タップを掘って固定していましたが今思うと板材で削り出せばよかったなと思います。丸形状だとネジを締める際に苦労します。もし次作るなら端の部分は六角にしようと思います。
    操舵ギヤを外した状態
    操舵ギヤ
    操舵ギヤにはタップを掘って駆動ユニットと固定しています。操舵ギヤには段付き加工をしていますが、駆動ユニットには間違えて表に段付き加工をしてしまったため、意味をなしていません。間違えてしまったせいで結果的にボルトのポケットみたいになってしまいました(´・ω・`)
    駆動用傘歯車
    BLDCからの伝達には傘歯車を使っています。これにより無限回転が可能となります。傘歯車のボス部分を軸とみてベアリングにはめています。先ほど説明したH型POM製ベアリングだけではガタついてしまうためPOM製ベアリングと反対側であるこの傘歯車部分にベアリングをはめることで操舵の軸ぶれを落ち着けています。傘歯車がトルクに耐えれるかは不明です。
    筐体安定化部分
    安定化パーツ
    一応駆動部分のグラつき安定のために板材を付けています。段付き加工されているので組立後はだいぶ安定していました。
    タイヤ用ギヤと駆動ユニット土台の干渉
    設計ミスでちょっとだけ干渉していまい、結果的に板材が削れていました。ちょっとギリギリ攻めすぎました。
    駆動ユニット分解
    様々な軸を固定する用の板材を外した状態です。ベアリングがあまりにも小さすぎます。いずれ壊れていたことでしょう。
    被駆動部1
    被駆動部1の分解
    被駆動部1段目です。傘歯車で回転を伝達し平歯車を回転させています。当時の加工班が「もっと高度な加工をしたい」と言っていたため、多段の軸を設計したのですが思ったほか難しかったらしく、加工時間がめっちゃ伸びました。これ以降僕は段付きの軸をなるべく出さないようにしています。出すとしてもミスミの加工サービスを使います。 また歯車たちと軸の固定はイモネジで行われているためあまりトルクを出すことができません。ロックタイトでガチガチに固定すれば使えるくらいにはトルクが出せると思います。
    伝達全体
    被駆動部2
    被駆動部2段目は平歯車で伝達しているだけです。しかしこの軸と平歯車はスラスト方向に特に固定されているわけではなく、すべり軸受けみたいになってしまっています。ベアリングは軸の一番外側に設けられていますが、それ以外のところで回転してしまうため摩耗が見られました。ちゃんと圧入なりするべきだった...
    タイヤとタイヤ用軸
    タイヤ正面
    タイヤ裏側
    タイヤの部分です。タイヤにはベアリングを入れており、駆動軸を設けるわけではなくタイヤ自体が回転するようになっています。こっちのほうが設計スペースとか加工が楽だと思います。タイヤにも平歯車がついているわけですがこれがめちゃくちゃ重い。肉抜きするなり自作するなり何かしら対策が必要です。
    ウレタン型
    ウレタン型の中身
    タイヤはウレタンで自作しています。まずウレタンが臭すぎます。制作中は手が何とも言えないにおいにまとわりつかれ、洗っても取れませんでした。型はシリコンを使用しており、3Dプリンタでタイヤ全体を印刷->シリコンで型を取る->3Dプリンタで実際のホイールを作る->ウレタンを流し込む、といった手順で制作しました。 使用したウレタンは硬度がA90もありロボコン用のタイヤにはあまり向きませんでした。ウレタンは最近国内販売が消えてしまったこともあり、ネットを探っていると海外で自作スケートボードをやっている人たちがおり、そちらで使用しているウレタンを参考にし購入しました。(買った場所は忘れちゃいました)値段は9000円くらいだった気がします。
    舵角検出用エンコーダ部分
    エンコーダ外した状態
    操舵のほうに戻ります。操舵角検出にはエンコーダを使ってます。ゼロ点検出用にはホールセンサーを用いたものを作ろうとしましたが未遂で終わりました。エンコーダ用の軸はグラついていしまうため3Dプリンタでスペーサーを作ってそこにベアリングをはめ込むことで対処しました。
    アルミフレーム用の段付き
    支柱用のアルミフレームを固定する部分には上下それぞれ段付き加工されています。アルミフレームを使っている理由は拡張性が高いからです。ゼロ点検出センサやBLDC用のMDからステアユニット制御用の回路まであらゆるものを簡単に付けれると考えたからです。しかしちょっと重いしでかかった。
    操舵のモーター固定部分
    今回操舵のモーターにはRZ-735を使っており設計当初から「トルク足りんくね?」って思っていました(計算はやり方わからなくてやっていなかった)。そのためすぐに対処できるようにIG32が取りつく用の穴もあけていました。案の定RZ-735はトルクが足りなかったのですが、その時の実験で萎えてしまったこともありこのステアは完成を迎えないまま終わってしまいました。反省点としては、わかっている失敗は避けてやる気を損なわないようにしようということです。

  • 最後に
    このステアは負の遺産であります。しかし分かっていても同じ道を通ってしまう後輩がたくさんいると思い今回この記事を起こしました。豊田Bの設計者の後輩たちはこれを見て同じ失敗をしないようにしましょう。
    次はダイレクトドライブのちっちゃいステア作って回路制御含めて全部作ろっかな~
    以上です。

NHK学生ロボコン2023を終えて ~初参加で高専初のベスト4&アイデア賞をとった話~

  • 自己紹介
    こんにちは!
    NHK学生ロボコン2023に出場したRoboSharpでリーダーをしていたケシゴムです。 今回1年間を振り返った制作記録を書くことにしました!
    技術的なことだったり、リーダーをやってみて思ったことだったりをごっちゃになりながら書きます。
    よろしければ最後まで読んでいってください!!

  • チーム発足まで
    RoboSharpは2023年度に初めて立ち上げられたチームです。今まで豊田高専高専ロボコンチームやロボカップチームはありましたが学ロボチームはありませんでした。
    なので1から立ち上げちゃいました!
    もともと学ロボをやってみたかったのと、担当してくださった教員が学ロボ経験者っていうこともあり新規チームを立ち上げることができました。
    うちの高専は課外活動の縛りが強い(と思っているだけかも)印象で簡単にポンッとチームを作れたわけではありませんでした。
    僕が3年生(18歳)の時に立ち上げようとしたのですが、その時学校の名前使っていいか学校の担当の人に聞いたところ「学科の後ろ盾がないとダメ」という風に言われてしまいチーム立ち上げがいったん保留になってしまいました。
    今となれば非公認のなにをしでかすかわからない団体に学校の名前を使わせることはリスキーだなって自分でも思います。
    ま、それでうまくいかないまま3か月くらいが立ってしまいました(大体2021年の冬くらい)。
    僕は高専ロボコンもやっていたのでチーム立ち上げにあまり時間を割くことでできませんでした。
    しかし担当教員の先生が尽力してくださり、担当教員の研究活動という立ち位置で学生ロボコンチームを立ち上げることができました。
    また学校から予算を頂けることになり5万円支給してくださいました(予算内訳については後述します)。
    そんなこんなでRoboSharpは無事学生ロボコンチームとして誕生しました!
    ちなみにRoboSharpの由来は「高専の良さを生かした他とは違う尖ったロボットを作ろう!」です。

  • メンバ紹介
    チーム発足時は5人くらいだったRoboSharpは今では総勢11人で構成されています
    11人個別に紹介していきます
    5年生+専攻科生(みんな受験生なんで受験勉強は爆発してました)
    僕:リーダー・RR操縦・RR設計・RR制御・RR回路(一部)ER制御(1次ビデオまで) 高専ロボコンB
    IS1:ER1号機回収部 加工班 元高専ロボコンB
    NK:加工班 元高専ロボコンB
    MKK:加工班 学ロボが初めてのロボコン! NT:回路班 元高専ロボコンB
    IS2:回路班 学ロボが初めてのロボコン
    MD:制御班 元高専ロボコンB(進捗を僕らが出せなさ過ぎて制御を頼めなかった...)
    4年生
    MR:ER操縦・ER総設計 元高専ロボコンA
    NR:ER制御 元高専ロボコンA
    IH:ER指令塔・マネージャー 加工班 元高専ロボコンB
    KT:回路班 元高専ロボコンA
    いやー多いですね(白目)
    ここだけの話、実働は1日平均3人です (まあみんな受験だししゃーないって僕は思ってた)

  • 予算
    詳しく言えるところといえないところがあるためご了承ください。 内訳はこんな感じです。

    予算
    他大学さんがどれくらいか知らないですが、高専ロボコン規模でみると巨額の予算だったので正直プレッシャーやばかったですね。 足りた足りてないという話になると足りてないです。 しかしこんな発足1年目の高専ロボコン地区大会で負けているような弱小チームを支援してくださった方々には感謝しかないです。
    本当にありがとうございました!

  • 教員
    みなさんご存じの方も多い方と思います。RoboSharpの担当教員の方は元ロボコニストで全国優勝も経験されています。 「全国優勝経験者が指導者にいれば余裕でしょ?」って思う人もいると思います。
    結論としては「はい、余裕でした」
    んなわけないです。全然余裕じゃなかったです。
    もちろん担当教員の先生にはとても助けられました。しかし部員が頑張ったからこそベスト4などは取れたのかなと思っています。
    教員とのかかわり方は基本自由にやらせてもらい、詰まったときに助言をもらうという形でした。
    でもやっぱり担当教員の方がいたからこそ、ここまでこれたとも思っているのでそこは他のチームと比べてアドバンテージがあったと思います。

  • 活動環境
    チーム発足1年目ということもあり活動場所は限られていました。具体的には高専ロボコンABの部室(全部フルで使えるわけではなく、少しお借りしていた)と作業スペースの一角です。

    作業スペースの一角
    Twitterに上がっているようなフィールド練習の時は毎回申請を出して、許可が出た時にフィールドを設置して練習してました。なのでフィールド設置だけで毎回1~2時間くらいとられてちょっとしんどかったです。 ちなみにフィールド練習は5回くらいしかできていないです。

  • 活動記録
    僕たちのチームは僕やERの設計者が高専ロボコンをやっていたこともあり、活動が始まったのは11月からでした。

    11月
    高専ロボコンで使用した射出機構で実験をしたり、アイデア出しをしたりしていました
    12月
    まずエントリーシートを紹介します。
    エントリーシートのスケジュール
    エントリーシートの戦略1
    エントリーシートの戦略2
    今見るとなかなかエグいスケジュールしてます笑
    エントリー当初のアイデアは「ERはVゴール狙い、RRはダンクシュートをしてポールに蓋をする」です。
    今回のルールで妨害はかなり有効と判断したためこのようなアイデアになりました。
    ダンクシュートの発想に至ったのにはFRC4907の「エアラム」という機構が大きいです。
    www.youtube.com
    この動画みたら簡単にジャンプできるじゃん!って思いっちゃいますよね。これが罠でした...
    さっきの動画を真似て作ってみた実験機が思ったより動いてしまったので、この機構使おう!ってなりました。
    あと改良した射出機構の実験もやりました。この動画はキレイに射出できていますが再現性が低かったので没になりました。
    1月
    冬休みのうちにRR2号機の設計はほぼ終わりました。このロボットは「エアラム」によってジャンプするロボットとなっており、ジャンプしながらでも足回りが動かせるようにしてあります。なぜモーターを可動部に取り付けているかというと、可動部に取り付けるのと稼働しない土台(足回りがついているほう)に付けるのとでは、運動量的に重量の2乗も差が出るためです。そのためわざわざタイミングベルトで人間の膝みたいなのを作り足回りを動かしていました。 ERは没になった射出機構の代わりに新たにベルトで挟む方式の射出機構を作って実験をしてました。これが思ったより再現性が高く最終的に本番でも採用されることになりました。 RR2号機のジャンプ実験は飛ぶけど飛ばないみたいな感じでした。まだこの時点では可能性を感じる飛び方をしていました。 重心が偏っていたり、重量が重すぎたのが原因で横方向に飛んでいました。
    2月
    2月は定期テストもありなかなか新しいことができませんでした。
    そんな中の1次ビデオがあり必死こいてつくりました

    射出機構はバカみたいにリングが入りました 1次ビデオの書類はこんな感じです
    1次ビデオ書類1
    1次ビデオ書類2
    3月
    いままで射出機構はDutyでやっていたんですが速度PIDにしたらもっと精度上がるんじゃね?って思ってやったらごみだったやつです そしてやっと回収機構とダンクシュート機構の制作を始めました。思ったより回収機構はよかったんですが... ダンクシュート機構が信じられないくらいダメでした。この結果見たとき脳みそ揺れましたね。 そんな中ラビット3号機ができ「エアラム」の最終形態ができます(結局没になりました)
    ラビット3号機は「エアラム」をさらに改良し、回収機構やダンク機構など試合可能なロボットになるように再設計しました。 しかし重心バランスがダメダメで回路スペースごと吹っ飛びました 3月は進捗ダメダメでしたね
    4月
    ダンクシュートが没になったため別の射出方法を探していました。そのときちょうど校内大会(豊田高専特有のロボット大会)で後輩たちが作っていた定荷重バネの射出機構があり、それを借りて実験したところ思ったよりうまくいったため、RRで定荷重バネを採用することにしました 4月の中旬くらいにやっとラビット3号機の回収実験ができました。練習場所が土足厳禁だったため、靴は履いていないですが安全を確かめてから足で押さえています。 RRの射出機構も割ときれいに設計でき、かなりの再現度を確保できました。この機構は安価につくることができ、射出威力も容易に制御できるため高専ロボコンの射出にうってつけではないでしょうか。 このリングの軌道だと本当は得点しにくかったんですが、僕たちの作戦は妨害してブザービート狙いだったので滞空時間が長いほうが有利でした。そのためこんな感じの軌道となったのです。 ERはちょこちょこ改良して稼働砲台にしていたのですが、装填とかでいろいろな問題がありました。そんな中撮った二次ビデオがこれです。 夜中の4時まで頑張って撮りました(付き合ってくれた先生ありがとうございます!)
    チームメイトからの差し入れでまさかのキットカット
    4/30 二次ビデオ審査結果発表の日
    僕はいつも通りバイトしていました。バイトの休憩中にとんでもない量の通知が来ていことに気づき、メールを見てみると マジで信じられなかったです。正直2次ビデオはあまりにも酷すぎたので通るとは思っていませんでした。5月頑張ろー!って気持ちが強くなりました。
    5月
    パソコン壊れました
    突如壊れたパソコン
    意味わかりません。僕が関わるコンテストでは高確率で大会直前にパソコンが壊れます。RR4号機の設計途中だったため最悪のタイミングでした。この故障により5日ほどなにもできませんでした。ただでさえロボットを一新しないといけないのに最悪のタイミングです。 そしてなんやかんやあって新しいPCを手に入れ作業に復帰しました。
    新しいPC
    PCが壊れている最中に届いたリングの素材はこんな感じでした。
    届いたリングの素材(ゴミ)
    めちゃくちゃグリップ力が強くて使い物になりませんでした。 最終的に僕たちのチームは公式リングを手に入れることができなく大会会場で調整する羽目になりました...
    5/16 初めて坂を登りました 最終的には後輪を下ろさなくても登れるようになりましたが、大会1週間前くらいまではずっとこの方式で登っていました。
    エアシリンダが曲がっているのは設計ミスですね。部品を買っているお金も時間もなく、しかたなくあるもので作った結果エアシリンダのみとなってしまいました。
    5/20 ロボットにやっと回路などが乗り始めました。しかし残り時間が残されていないため家で作業することになりました
    持ち帰ったロボット
    家でデバッグされているRR
    家で回路のデバッグしていたら気づいたら風呂にIC落ちてました笑 5/27 あまりにも遅すぎますがやっとロボットの操縦練習を始めることができました RRの作戦である、リング回収->段差のぼる->type2に得点-<type3に得点までの最短記録は1分1秒でした(本番で見せれなくて残念😢)
    5/31 パソコン壊れました。もう本当に意味が分かりません。大会1か月前に壊れるのでさえヤバいのに、大会5日前に壊れるなんてもうほんとっ!! サポートも当たり障りのないことしか言ってくれず、最悪でした。(結局自分で修理しました)
    新品なのに壊れた使えないPC
    5月は鬼の進捗でした。大会直前だから当たり前に進捗は出さないといけないかもしれませんが、それにしてもPC2回壊れるって何なん?????
    6月

    6/1 ロボットの発送でした。まさかの当日に920Mhz帯のコントローラーを実装することになり、ロボット発送の30分前くらいまでデバッグしてました。

    こんな感じで、あとは大会待つのみでした

  • 大会

    前日
    まさかの☆台風☆
    僕らはテストランに当日入りする予定だったため、朝4時くらいに起きました。しかし頼みの綱である新幹線が止まってしまい会場に9時到着予定が17時くらいの到着となってしまいました。 本当に最悪です。僕たちのチームはついてなさすぎます!!結局移動には7時間ほどかかりました。
    他にも遅れてきたチームはいたのですが、皆テストランの時間が確保できなかったり、調整だったりで思ったように作業できていませんでした。
    僕らのチームはERは想定通り動かせそうな感じだったのですが、RRは急に回路が動かなくなりデバッグしていました。そんな中チームリーダー会議に召集されてしまいRRは僕しか関わっていなかったため何もできないまま土曜日のRR作業は終わってしまいました。会場自体は遅れたチームに限って20時半まで延長して開けてくださったのですが、やはりチームリーダー会議に時間が割かれてしまった影響で2時間くらいしか作業できませんでした。
    この点は他のチームと比べて相当不利でした。前日の夜寝たのは深夜1時ごろでした。
    当日
    朝は8時半に会場が開くとのことで、宿泊施設を出るのは7時ごろでした。しかしチームメンバーが怠惰すぎ3人ほど寝坊をしてしまったため、疲れた体に鞭を打ち駅まで走る羽目になりました。
    なんとか会場には間に合ったため、コンビニで冷えピタ(知恵熱用)とソルマック胃もたれしてた)を買っていデバッグに挑みました。
    RRはロボット座標系をグローバル座標系に変換するプログラムがあったのですが、マイコンが急にデバッグできなくなる&IMUが壊れるという災難に見舞われ、結局ロボット座標系で制御することになりました。操縦練習はグローバル座標系でやっていたので、ぶっつけ本番での操縦でした。
    冷えピタの効力もありRRはなんとか動く状態にはでき、ERもちゃんと動くようになりました(Wi-Fiが混線しすぎて当日7万のルーターを買った)
    そして大会が始まりました...! www.youtube.com 開会式で泣きそうでした。今まで頑張ってきたっていう感覚と、大勢の観客に囲まれて「やってやったぞ!」という感情で涙腺がめっちゃ緩みました。
    1戦目 vs九州大学さん(以下敬称略)
    チーム紹介ビデオがウケたのは嬉しかったです。応援サポーターの影山さんが「あとでインタビューしたいですね~」みたいなこと言ってくださり顔がほころびました。
    九州大学は事前のテストランであまり動作してない感じだったので、作戦としては時間を詰めるのではなく一個一個確実に入れに行くというものでした。ERはゆっくり動き、RRは丁寧に段差を登るように心がけていきました。しかしRRに関して僕が操縦慣れしていなかった(当日座標系を変更したため)のと緊張のせいで射出をミスってしまいジャムってしまいました。九州大学の能力的に妨害をしても意味がないと判断したため、RRの妨害は隠しておく予定でした。しかしジャムてしまいRRはやることがなくなってしまったため妨害しようかなーって思っているときにまさかの通信不良(920Mhz帯のコントローラーをずっとつけっぱなしにしてしまったためプログラムがバグった)で結果的にセンターエリアでクルクル回ることになってしまいました。幸いなのは回転入力のみがロボットに保存されていたため、センターエリアからRRが落ちずに済みました。もし移動入力が入っていたらと思うと怖くてたまりません。ここは本当に運に助けられました。
    僕らの目標は1勝することだったので、それを達成できた喜びで優勝したみたいな喜び方をしてしまいました笑
    休憩
    ホッと胸をなでおろし、ごはん休憩をしていたところ担当教員の方から「インタビュー来るらしいから戻って」と言われ一口だけ食べてピットエリアに戻りました。「NHKのおじさまディレクターの方などがインタビューするのかなー」とか思っていたら、奥から影山さんが歩いてきて「え、嘘????」ってなりました。そして影山さんにインタビューされました!マジで最高でした。ちょー可愛かったです!顔小さすぎました!!(インタビューシーン放映してほしいなー)
    2戦目 vs東京工業大学さん(以下敬称略)
    東工大は事前の九大vs東工大戦で180点ほどの得点であり妨害も効きそうなことから、作戦はスピード勝負でした。しかしRRは途中で転倒してしまいました(エアーの残圧をミスった)
    ただERは着実に得点を重ねていた上に東工大のロボットも動いていたなったので、リトライ宣言してRRを直すよりERに任し切ったほうがいいなと試合中に判断したためRRはそのまま放置しました。試合の終盤にリトライすることになりましたが、それはERも通信不良で暴走したためです。結果的にRRを試合中動かすことはできませんでしたが、あの強豪の東工大に勝つことができ、さらに高専初の決勝トーナメント進出が決定しめっちゃ喜びました!!笑
    ちなみに練習での最高得点は100点くらいだったので初めて大量得点できてびっくりしました。
    3戦目 vs横浜国立大学さん(以下敬称略)
    RRの転倒問題はエアーかなーと思いながらも、あとでいいやと思ってしまい技科大の先輩や東大の先輩と話し込んでいました。そしてら急に電話がきて「もう始まる」っていわれ、焦ってピットに戻りました。そして本当にすぐ僕らの出番になってしまったため、転倒問題の原因究明をできないまま3戦目に突入しました。
    横国は普通に強すぎたので、とにかく早く妨害を展開することだけ考え試合に臨みました。幸い転倒問題はなんとか解決されており、ちゃんと上ることもできました。試合中集中しすぎて気づきませんでしたが、Vゴール一歩手前まで攻められていました。しかしまたもや運が味方に付き横国のERはジャムっていました。ここでRRの妨害機構が展開され、さらにRRがジャムっていたこともあり妨害に徹していました。ERはやればVゴールできたと思うのですがあえてやりませんでした。ERの操縦補助の後輩が信じられないくらい頭が切れており、試合中に得点するより得点し返すほうが強くね?と判断しあえて射出しない状態で待機していました。この判断も功を奏し妨害機構も動作し、見事あの強豪校横国を倒すことができました。
    正直運が相当味方になってくれていました。
    4戦目 vs豊橋技術科学大学さん(以下敬称略)
    4戦目の目標はRRがやりたいことを成し遂げる(ブザービート)でした。練習通りの動作を一回もできていなく悔しかったためなんとか観客にブザービートを披露しようと思っていました。セッティングタイム中に技科大のERが動いてなさそうだったので、RRは妨害に徹してERが得点して戦うという作戦もあったのですが、やはりブザービートを披露したかったため当初の作戦通りいくようにしました。しかしこれは判断ミスで、技科大のRRにボコボコにされ気づいたら負けていました。作戦を変えていれば勝てたかもと思うと悔しさが残ります。 しかしあの技科大とまさか戦えるとは思っていませんでしたし、観客の方たちの温かい声援を感じることができ、改めて今までやってよかったなと思いました。
    表彰式

    最初に特別賞の発表でした。後輩たちとは何か賞もらえればいいねと話していたのですが、特別賞で僕たちのチームは呼ばれず落胆していました。
    しかしまさかのアイデア賞を頂くことができ驚きが隠せませんでした。めちゃくちゃうれしかったです。

    あと帰り道にめっちゃエゴサしました笑。いろんな方々が豊田高専を応援してくださっており本当に嬉しかったです!ありがとうございました!

  • 終わりに
    こんなにも長い記事を最後まで読んでくださりありがとうございました!
    簡潔に書くか全部書くか迷っていたのですが、今後同じような状況で学ロボをやろうとしている人たちなどの参考になればなーと思い全部書くことにしました。
    高専ロボコンを頑張っている後輩たちにも参考になればと思い長くつらつらと書いてきました。(質問あったら是非お待ちしております!なんでも答えます!)
    僕らのチームは弱小でしたが、強豪校みたいな予算やメンバーがいなくても毎日頑張っていれば何とかなりました!
    今まで傍若無人なリーダーの僕についてきて、こんな最高な結果を残してくれた担当教員の方、チームメンバーのみんな、本当にありがとうございました!
    僕はめちゃくちゃ幸せです!!
    長くなりましたがここらへんで筆をおかせていただきます。改めてありがとうございました!

ps. 来年から豊橋技科大に入ることになりました!目指せ4連覇!!